コペンDays

コペンハーゲン在住。移住のための手続き等、忘備録も兼ねて記録していきます。

2020年01月

Work/Residence Permitの申請書類を提出して終わりではない。この後、Biometric Submission、すなわち生体認証データを提出する必要がある。つまり、よく入国審査で、顔写真を撮って、指紋を採取するという、あれである。これを自分と妻の二人とも行う必要がある。

これは、物理的にとある場所に出向いていって、写真撮影と指紋採取を行う必要がある。場所は、浜松町にあるVFS合同ビザ申請センターで、デンマーク以外の国のビザ申請プロセスも手掛けている組織のようだ。

Biometric Submissionには、予約が必要で、自分の場合最短で予約できたのは3営業日後だった。

申請センター自体はとあるビルの割と小ぢんまりとしたオフィスみたいなところで、入室したらセキュリティチェックを受け、携帯電話の電源を落とす必要がある。

これを済ませてようやく申請手続きは一応全て完了なはず。後は結果を待つだけ。

続いて、配偶者のResidence Permit申請。

  • 委任状 : これも会社が代理で申請してくれるので必要だった。
  • パスポートのコピー : これも自分自身の申請と同様に、「全て」のページのコピーを提出。写真が載っているページのみならず、裏表表紙、さらには出入国記録のスタンプが押されていない白紙のページも含め全部。
  • 婚姻証明書 (Marriage Certificate) : これが一番大変。何故なら、日本には厳密にはこれに相当するものが無いから。一番近いのは、戸籍謄本だが、これは日本語版しかないので、英訳したものが必要。アメリカなどでは自分で戸籍謄本を翻訳したものでも良いようなのだが、北欧の場合は、「戸籍謄本の原本に外務省でアポスティーユを取得した後、英語翻訳と正しく翻訳した旨の宣言文を記載した英文の宣言書を添付して公証役場での公証人の認証、法務局長の公証人押印証明、外務省のアポスティーユの手続き」が必要とのこと。。こんなこと自分でやるのは大変だし、どこかで手続きを間違えたら困るので、専門家に依頼することにした。手際良くやっていただき、サービスには満足。ただ、ホームページに書かれている金額よりはかかって5万円ぐらいかかったので、それは覚悟する必要がある。時間的には、アポスティーユ自体の手続きは、問い合せから結局3営業日ぐらいでもらうことができた(別途戸籍謄本を入手する時間がかかった)。

...と、提出する書類自体は自分の分の申請と大差無いが、婚姻証明書はそもそも結局何を提出すれば良いかの調査から始まり、お金/時間もかかったので、トータルではこれが一番大変だった。

ウェブサイトによれば、配偶者のResidence Permitは2ヶ月を目処に結果が出るとのこと。

下見、そしてその後、会社に幾つか経済面での質問をして、まあ倹約すれば何とか生活できそうだという目処がついたので、入社するという返事をした。手続き、および引っ越しの準備にかかる時間を考慮し、入社時期は2ヶ月半後でお願いした。

そうなったら、最も重要なWork/Residence Permit申請を開始する。職種/スキル/経歴等で違うのかもしれないが、自分の場合はFast Trackというカテゴリーでの申請になって、以下の書類を提出 :

  • 委任状 : 自分の場合は、入社する会社の人事の人が代理で申請してくれるとのことだったので、その旨のフォームを記入。委任状って英語で「Power of Attorny」って言うんですな。初めて知った。
  • パスポートのコピー : 写真が載っているページのみならず、裏表表紙、さらには出入国記録のスタンプが押されていない白紙のページも含め、それこそ「全て」のページのコピーを提出する必要がある。
  • 学歴証明書 : 最終学歴の卒業証明書の英語版だけ提出した(学部、大学院を卒業している場合は、大学院のもののみ)。細かい、どの講義を受講して、成績が幾つだった等が記載されている成績証明書は提出しなかったが、それでも大丈夫だった。

...と、学歴証明書だけは在学していた大学の教務課に行って発行してもらう手間がかかった以外は、必要な書類はすぐに揃ったので申請を済ませた。Fast Trackの申請だと、だいたい1ヶ月程度で結果がでるとのこと。

ということで、コペンハーゲンに下見に行ってきた。下見に行くにあたって、ガイドブックを購入しようとしたが、結構デンマークの特化したガイドブックがなかなか無い。あの地球の歩き方でさえスウェーデン、ノルウェー、フィンランドとひとまとめに「北欧」にされている。唯一、デンマークというかコペンハーゲンに特化した下記の本があったので、それを購入。


詳細はこちらを見ていただきたいが、以下まとめ。

フライト

日本からの直行便は、現時点では成田発のスカンジナビア航空のみ。2020年3月29日からは羽田発に移る。

交通

  • 空港から市内へは電車で15分程度でアクセスでき、極めて便利。
  • 電車は、時間は正確だし、清潔、安全で、市内も便利に廻れるようになっている。ただ、料金が高い。Suica的なRejsekortを使えばだいぶ割引になるが、それを購入するための初期投資がそれなりにするので(3000円程度)、結構乗る予定が無いと割りに合わないかもしれない。
  • 自転車専用道路が整備されており、市民のメインの足は自転車のようだ。レンタルのシェア自転車、シェア電動キックボードもあちこちにあって、今回自分は利用しなかったが、それを使ってみるのも良いかもしれない。
  • Uberは使えない(以前はあったようだが、撤退したようだ)。
  • タクシーは1回利用しただけだが、サービスも感じ悪く、料金も高いので良い印象は無い。

言語

デンマーク語が公用語だが、少なくともコペンハーゲン市内では英語で問題は無かった。ただ、スーパーなどで売っている食品の説明書などはデンマーク語で記載されているので、やはり住むのならデンマーク語を勉強した方が良さそう。

通貨

  • デンマークはEUに所属しているが、通貨はユーロではなく、独自のデンマーク・クローネ。マイナー通貨だと両替手段も限られるし、ヨーロッパ国内の他国に行った時に両替の必要があったり、色々不便。これは痛い。
  • キャッシュレス化が進んでいる。一応1万円だけ両替したが、現金は全く使うことなく、クレジットカードだけで事足りた。ただ、アメックスはほとんど使えなく、VISAかマスターしか使えなさそう。

買い物

  • 物価はかなり高い。マクドナルドは1000円超え、コンビニで売ってるサンドイッチも1000円程度、ジュース等も500円ぐらいしたり、全て高い。おまけに消費税は25%(軽減税率も無い)。。特に外食がべらぼうに高い。ランチは平均2000円程度であろうか。
  • スーパーは街中のあちこちにあって便利。日用的な食材の値段は日本と大差無さそう。
  • 日本食材店は無く、アジアンスーパーで日本食材がゲットできるぐらい。まあけど、米(日本では聞いたことのない銘柄)、麺類、醤油、味噌、めんつゆ、胡麻等は売っていたので、まあ何とかなりそう。
  • 無印、ユニクロがある。無印は現在ソフトオープンという状態らしく、2020年秋に旗艦店がオープンするらしい。

  • 街は清潔で、歴史ある建物、ニューハウンに代表されるように可愛らしい建物、北欧デザインらしいスタイリッシュな建物もあって、とても綺麗な街並み。
  • 治安もとても安全な印象。日本とそんなに変わらないと感じた。
  • 少し驚いたのが、男女共通のトイレが割とあったこと(全部が全部ではなかったが)。
  • もう一つ、カーテンを閉めていない家が多く、外から家の中が丸見えなのに驚いた。

まとめると、物価の高さがやはり懸念だが、自炊すれば何とか住めそうだと感じた。

応募先のコペンハーゲンの会社からオファーはもらったものの、返事をするにはいくつか検討項目があった。

まず、そもそもビザというかWork Permit/Residence Permitが確実に取れるのか、取れるにしてもどれぐらい時間がかかるのか。アメリカのように、抽選だったり取得までに半年とかの時間がかかるのでは困る。面接の中で人事の人に聞いたところでは、自分の経歴ではFast Trackという申請ができるようで、それだと1ヶ月程度で取得できるらしい。そして、申請に落ちる人も今までいなかったとのこと。なので、これに関しては大丈夫そう。

次に、そもそもコペンハーゲンに住めるのか?住みたいと思うのか?という点。これに関しては良いイメージはあるものの、治安、街の清潔さ、街のインフラの便利さなど、そもそも行ったことが無いので、分からないことだらけ。なので、オファーを貰ってから一週間後に、急遽下見に行ってみることにした。入社するかどうかの返事は、下見の後まで待ってもらうようにお願いした。面接は全てSkype面接だったので、オフィスを訪れる手配もして、会社の雰囲気を確認するのも目的の一つ。

そして、最大の懸念が経済面。オファーでもらった金額は、単純に現在の為替換算すると、日本での現職のBase Salaryとほぼ同じぐらい(ボーナス分だけ減収になってしまうぐらい)。だが、物価等がおそらく全然違うであろうから、単純に金額だけ比較してもあまり意味が無い。何せ北欧で税金が高いイメージだったので実際に調べてみると、何と50%以上も所得税でもっていかれてしまうらしい...!!その上、所得税は何と25%(軽減税率も無い)!!物価も高いようなので、経済的には厳しそうと言わざるを得ない。

最後に、住居。最初の3ヶ月間は、会社がサポートしてくれてLifeXというシェアハウスに住めるので、その3ヶ月の間にその後長期的に住む住居を探すことになりそう。ネットで調べた限りでは、コペンハーゲンは住宅不足な上、日本のように賃貸仲介業者が発達しておらず大家さんとの直接交渉になるようなので、家探しは日本よりもかなり大変そう。家賃に関しても、日本よりも高いようだ。

いずれにせよ、生活する上での詳細な物価事情をこの目で見てきて、「ここに住んでやっていけそうか」を確認するために、下見に行くことに。

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